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設計初心者必見!機器(盤)架台の基本設計

機器架台アイキャッチ CAD

G’day mate!ミーヤです。
今回は機器室などでよくみられる機器の下に設置されている機器(盤)架台の設計についてです。
機器室に入ってもOAフロアが設置されていて、直接架台単体を目にする機会は、なかなかないと思います。
架台ってどんな形状をしているのか知りたい人や、設計業務で架台の設計を始めて行う人向けに書いた記事となっております。


筆者は設計業務経験15年の中小企業に勤める技術者です。
現役でバリバリ図面を、日々書いています。

この記事の設計者としての立ち位置を確認しておきます。
0からの設計ではなく、客先仕様書や発注図などをもとに製品として製作できる図面(製作図)を製図する人のこととします。

この記事はこんな人にオススメ

  • 機器架台の設計が初めて
  • 架台なんて単なる台と思っている人
  • 架台がなぜ必要なのか知りたい人

それではどうぞ!

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いろいろな機器架台

見渡せば世の中、架台だらけです。
おそらく、半数以上の機器(制御盤、変圧器、カメラ等)がなんらかの架台の上に設置されているのではないでしょうか。
架台の形状も多種多様ですし、架台自体を固定する方法もアンカーであったり自在バンドであったりと設置状態により変わります。

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架台の役目

架台の役目として一番、重要と思われることは設置位置の変更だと思います。
機器自体は底板にアンカー用の穴が空いていますので平らな地面(コンクリート面)でしたら直に設置することが可能です。
しかし、多くの場合、機器下側からの配線のため、機器下にスペースが必要となります。
そこで架台の出番です。
中にはコンクリートをハツって溝(ピット)を作って躯体側にスペースを設けている場合もあります。
そういった場合は機器は直に置かれている場合もあります。
あと、壁に添わして取り付けたい場合や柱に取り付けたい場合など直に設置できないときは、必ず架台が必要となってきます。

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必要な条件

機器図面

必ず入手しなければいけないのは架台の上に設置する機器の図面です。
機器図面から入手できる情報

  • 取付穴ピッチ及び穴径(架台側の穴あけに必要)
  • 機器側の板厚(架台と機器を締結するボルトの長さ算出に必要)
  • 塗装のマンセル値(架台が塗装仕様の場合、機器の塗装色に合わせることが多い)
  • 機器重量(強度検討時に必要)
  • 外形(強度検討時に必要)

設置場所のロケーション

架台を設置する場所に段差がある場合や床に凹凸がある場合はライナーでレベル調整する必要があります。
お客さんの中には架台の脚部をマイナス目に製作して現場でレベル調整するという担当者の方もいます。
上げることはできますが、下げることはできませんので注意が必要です。
上記内容は一応、知っていれば良いことですがほとんどの場合、客先仕様書や発注図に高さの表記がありますのでそれに従えば問題ありません。
機器室がOAフロア仕様の場合はOAフロアの厚みなども情報として必要となってきます。

表面処理の仕様

機器室内に設置する場合は、塗装仕様が圧倒的に多いと思います。
屋外の場合は、環境条件が屋内に比べて悪いため、溶融亜鉛めっきやめっき後塗装など屋内に比べると耐食性のグレードを上げる傾向があります。
客先の仕様書や発注図に記載されていることがほとんどですので、必ず確認しましょう。

絶縁対策の有無

客先によっては絶縁対策として架台の上に木版やFRP板(絶縁体)を敷き、その上に機器を設置する場合もあります。
当然、締結するボルトも絶縁しなければいけませんので絶縁用のブッシングなどを用いて機器と架台に電気が流れない仕様としなければいけません。
こちらも客先の仕様書や発注図に記載されていることがほとんどです。

振れ止め金具の有無

架台とは別発注になることが多いと思いますが知識として一応知っていれば役に立つこともあると思いますので説明します。
振れ止め金具とは機器室の天井下に張り巡らされたストラクチャー(アングルの場合がおおい)と機器の上部に取り付けた金具を締結する金具のことです。
用途としては、地震時などの機器の転倒防止機能です。

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耐震設計

昨今、耐震設計は必須となりつつあります。
どう考えても強度的に問題ない金具などでも、強度計算書の提出を求められることもよくあります。
初条件で静荷重のみの設計の依頼でも、あとあと耐震の計算書を求められて計算したら強度不足というパターンもあります。
必ず事前に耐震が必要かどうかの確認をしておきましょう。
なんでもかんでも耐震仕様にしてしまうと、鋼材がゴッツくなってしまいコストがかかってしまいますので注意が必要です。
簡単な金具の強度検討などは、フレーム構造解析CADTOOLがおすすめです。
興味のある方はこちらもご覧ください。
単純な支持金具の強度検証の方法を記載した記事です。

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具体的な設計方法

耐震設計の確認

必ず客先に確認しましょう。
また、計算書が必要な場合はどの基準で行うかの確認も必要です。
機器の重要度や設置場所によって計算で使用する数値(係数)が変わってきます。
客先の仕様書がある場合はそれに準ずればOKです。

表面処理

表面処理の確認も必須です。
室内の場合でしたら機器図面に記載されているマンセル値に合わせることが多いと思います。
稀にメーカーの意味不明な塗装記号で指定されている場合がありますのでご注意を。
そういった場合は、客先に確認し、近似値のマンセル値で良いかの確認が必要です。

形状の設計

架台の外形は機器の外形に合わせます。(機器の扉の厚み分は控えます)
等辺山形鋼で枠を組みそれに脚をつけて脚の底に鋼板を貼るという形状が一番よく見る形状です。
機器室にOAフロアがある場合はフロアを受ける受け金具を架台に取り付けれるようにしておかなければいけません。
溝形鋼を四角に組んだ架台もよく目にします。

注意するポイント

場合によては一つの架台に機器を2台や3台載せる場合があります。
そういった場合に注意してほしいことが有ります。
機器によっては扉がありますので隣り合う機器同士の隙間を0で設計してしまうと、扉の厚みが隣の機器に干渉して扉が開かなくなることが有ります。
また、扉がなくても架台に乗る面の外形と上部の外形(横幅)が異なる機器もありますので機器の取り付けピッチ穴を単純に2コないし3コずらして並べるだけでは取り付かない場合もありますのでご注意を。
図面上で機器外形を書いて、架台にあてはめてみれば一目瞭然ですのでミス防止のため、必ず実行して下さい。
機器を3台乗せるような大きな架台を設計する際は搬入できるかどうかの確認も必ず行っておきましょう。
新設の時は機器を搬入するための大きめの搬入口がありますが、改修工事の時は特に注意が必要です。
そのあたりに気づくか気づかないかで、客先の印象が変わります。

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まとめ

お疲れ様でした。
今回は機器架台について書きましたが、いかがでしたか?
昨今、架台関係の設計は、かなりの確率で耐震を求められています。
経験上、主鋼材は問題ないことが多いのですが、アンカーと締結する底板の厚みが不足していて強度的にNGとなることが稀にあります。
ご注意を。
機器を載せるだけの架台ですが設計するには、いろいろ確認するポイントがあります。
機器架台のことなら○○さんに聞けば大丈夫と言ってもらえるような設計者を目指しましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

おしまい。



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